だれも住んでいない実家にも、毎年固定資産税がかかります。そして空き家の固定資産税は、家を解体したときや、市から勧告を受けたときに大きく上がることがあります。
この記事では、姫路市の税率や納める時期をふまえて、空き家の固定資産税のしくみと、解体する前に知っておきたいことをご説明します。
空き家にも固定資産税はかかります
固定資産税は、毎年1月1日の時点で土地や建物を持っている人にかかる税金です。住んでいるかどうかは関係ありません。
| 固定資産税の税率 | 1.4% |
|---|---|
| 都市計画税の税率 | 0.3%(市街化区域内の土地・建物) |
| 納税通知書が届く時期 | 毎年4月下旬 |
| 納める時期(年4回) | 5月末・7月末・9月末・12月25日 |
姫路市の場合(姫路市ホームページより)
姫路市の一般的な一戸建ての空き家だと、土地と建物を合わせて年6万円ほどが目安です(くわしくは姫路市の空き家の維持費の試算)。
家が建っている土地は税金が安くなっている
家が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、固定資産税が大きく安くなっています。
| 土地の広さ | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 200㎡までの部分 | 6分の1に | 3分の1に |
| 200㎡をこえる部分 | 3分の1に | 3分の2に |
空き家でも、家が建っていればこの特例が受けられます。ところが、次の2つの場合には特例がなくなり、土地の税金が上がります。
家を解体すると、土地の税金が上がる
家を取りこわして更地にすると、その土地は「住宅用地」ではなくなり、特例が受けられなくなります。
たとえば、姫路市の住宅地の平均的な土地(約165㎡)で試算すると、土地の税金は年約2.6万円から約9.3万円へ、3倍以上になる計算です(住宅用地以外の土地は、評価額の70%を上限に税金を計算します)。
税金は1月1日の状態で決まるため、年内に解体すると、次の年の分から上がります。売れるまでに何年もかかると、そのぶん高い税金を払い続けることになります。
「解体しないと売れない」と言われて、そのまま解体してしまう
私たちがご相談を受けるなかで実際にあるのが、不動産会社や解体業者に「解体しないと売れない」と言われ、固定資産税がどうなるかを聞かないまま解体してしまうケースです。
古い家は更地のほうが売れやすいこともありますが、すぐに買い手が見つかるとは限りません。特に郊外や山側では売れるまでに時間がかかり、そのあいだ上がった税金を払い続けることになります。
また、市街化調整区域では、一度解体すると新しく家を建てられない場合もあります。解体は、売却の見通しと税金の両方を確認してから決めましょう。
家を残したまま売る方法もあります
相続した実家を売るときに使える「空き家の3,000万円特別控除」(売ったときの利益から最大3,000万円を差し引ける制度)は、建物の耐震改修か取りこわしが条件です。2024年1月からは、売ったあとに買主が翌年2月15日までに解体する場合も使えるようになりました。家を残したまま売りに出し、解体は買主にしてもらうという方法もあります。
この特例には、1981年5月31日以前に建てられた家であること、売る金額が1億円以下であることなどの条件があります。姫路市では住宅課で、申告に必要な確認書を発行しています。
手入れしない空き家は「勧告」で税金が上がる
2023年12月に法律が改正され、放っておくと危ない状態になりそうな空き家は「管理不全空家」、すでに危ない空き家は「特定空家」として、市から指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けると住宅用地の特例がなくなり、家が建っていても更地と同じように税金が上がります。
姫路市では、これまでに特定空家を27件認定し、そのうち14件が解体されています(2026年6月末時点)。管理不全空家も5件認定されています。
ふだんから換気や草刈り、雨もりの確認をして、家を傷ませないことが税金を上げないためにも大切です。
相続した空き家の固定資産税はだれが払う?
親が亡くなり、1月1日までに相続登記(名義の変更)が終わっていない場合は、相続人が納税義務者になります。姫路市では、相続人の中から代表して納税する人を決め、資産税課に届け出ます。
なお、2024年4月から相続登記が義務になり、相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。
解体する前に確認したいこと
- 解体したら、固定資産税がいくらになるか
- 売れるまでに、どれくらい時間がかかりそうか
- 市街化調整区域ではないか(再建築できるか)
- 家を残したまま売る方法はないか
- 3,000万円特別控除を使える条件にあてはまるか
- 姫路市の老朽空家の解体補助(工事前の申請が必要)が使えないか
まとめ
空き家の固定資産税は、家が建っている限り特例で安くなっています。解体や勧告で特例がなくなると、土地の税金は数倍になります。「解体しないと売れない」と言われても、すぐに決めず、税金と売却の見通しを確認してからにしましょう。
売るか残すか決まるまでのあいだは、家を傷ませないことがいちばんの節税にもなります。私たちが月1回お家を見回り、換気・通水・外まわりの確認をして、写真つきの巡回報告書でお知らせします。
あわせて読みたい:実家じまいとは?何から始める?/空き家の火災保険は必要?
出典:姫路市「固定資産税」/姫路市「土地の評価」/姫路市(住宅の取りこわし・相続人代表者)/姫路市「空家特措法に基づく施策・措置等」/国土交通省(改正空家法)/国税庁 No.3306/姫路市「空き家の発生を抑制するための特例措置」

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